第27回 相談実録③ 18年間ニートだったCさんが、フルタイムで働くまで
相談実録 その3 18年間ニートだったCさんが、フルタイムで働くまで
相談実録シリーズ3回目となりました。
今回も、これまでの相談してきた経験の中から、思い出深い相談実録をご紹介します。
就労経験がないCさんが、フルタイムで働くまでのお話です。
母親に連れられ、Cさんが相談に来ました。母親が「娘は18年間家にいて仕事をしていないのですが働けますか?」と半ばあきらめているような表情で話したのを今でも覚えています。
Cさんは、「親の年齢が高くなってきたため働きたいと思っているけれど、自分にできるかとても不安」とうつむきがちに小さな声で話してくれました。
そこで、これまでのCさんの家での過ごし方を確認すると、家事全般の手伝いが主で、特に炊事は朝昼晩と料理の献立から調理まですべて1人でまかなっていたことがわかりました。
私はCさんに、これらの家事をしてきた中で、
- 優先順位を考えて組み立てる
- 状況を考え選択決定する
- 並行して物事を進める
などの能力が身についていることを伝えました。
Cさんの様子から、社会的な場所でコミュニケーションの経験を積むこと、自己肯定感を高めることが必要だと感じ、若年者向け支援機関の利用をすすめました。
活動内容の中に、喫茶での調理があったので、得意な作業の中で社会性を身に付け、自信をもって行動できるようになるのではないかと思ったのです。
半年後、Cさんが1人で相談に来られました。
「半年間、順調に喫茶で活動してきました。いろいろな経験を積むことで、働いてもやっていけそうと思えた」ということでした。
私の目を見て、思っていることをしっかりとした口調で話すので、自分の意思で相談に来たことがはっきりとわかりました。その様子から、他で働いてやっていけるだけの力がついたなと感じました。
Cさんは、ハローワークのパート求人票を私に差し出し、「自宅近くにある製造業に応募したい」と話しました。
しかし、母親から「その会社は名が知れた規模が大きい会社で、仕事内容も難しいと思う。働いたことがないあなたには無理だ」と反対されていると悩んでいました。
私は「周りの反対があっても自分の意思で応募したっていいんだよ」と説明しましたが、1人で決定することが不安な様子だったので、母親、Cさん、私の3人で話し合って決めることにしました。
「仕事内容は反復作業で、手際の良さや先を想定して作業ができることが必要。Cさんはこれらの力を十分身につけている」と説明しました。
そして、「親としての不安もあると思うが、働くのは本人なので、意思を尊重してみてはどうか」と促しました。母親も納得し、希望していた求人に応募することになりました。
私は、ハローワークの相談員に、Cさんについて、「これまで就労経験がないこと、口数は少ないが、手際良く作業をこなせる能力は十分にあることを、応募先の採用担当者に伝えて紹介してもらいたい」とお願いしました。
ハローワークでの相談が終わり、Cさんから面接日時が決まったと連絡がありました。
採用担当者から「うちは、口数が少なく黙々と作業をしてくれる人の方がいい。初めてでも仕事はこっちで教えるよ。」との言葉があったそうです。
その後、無事面接を終え、短時間パートの採用が決まりました。
1年後、Cさんが再度ワークサポートに訪れ、会社から就労時間延長の依頼があり、フルタイムで就労することになったと知らせてくれました。
私が「仕事ぶりが認められたんだね」とCさんに伝えると、とてもうれしそうに微笑んでいたのをよく覚えています。
今も元気で頑張ってるかな~と、時々思い出します。
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