第34回　異世界転生と転職は似ている！？

ライトノベルやコミックですっかり一大ジャンルとなった「異世界転生」。
不慮の事故などで今生を終えた人物が、ゲームや小説に出てくるような異世界に、今までの記憶を持ったまま現れることで始まる物語のジャンルです。
多くの物語の主人物が、「チート」「チートスキル」と呼ばれる希少な技術や能力を身につけている場合が多いのも特徴です。

しかし、中には、現代日本の知識だけを持って、特にチートなしで生き延びる作品も存在します。

「これってちょっと転職活動に似てない…？」

就労支援相談員の私には、神から与えられたチートスキルに頼らず、これまでの経験と知識で戦う人物が、転職を地道にがんばるみなさんと重なって見えるのでした…！
異世界転生ものは、ある人が、突然全く違う環境に転移して活躍する物語ですよね。
その人が、以前の社会の中で培った価値観・知識・技術を新しい世界で発揮することで、誰かが助かったり本人や仲間たちが成長したりします。
この流れ、そのまま転職とそっくりではありませんか！？

「そうは言っても、転生するのって普通の会社員じゃないでしょ…」

小説やコミックはフィクションのお話なので、転生前の職業や属性も、物語映えするものが多い印象ですよね。
医師だったり、芸能人だったり、格闘家だったり…。
しかし、サラリーマンやOL、学生が転生する作品だって、かなりの割合を占めています。
現在私たちが暮らしている中ではなんということもない、ごく普通の科学的知識や、料理のテクニックなどで、主役がどんどん活躍していくストーリーもけっこうあります。
これと似たような現象が、転職でも起こりうるのです。

本人が気づいていない転職スキルはけっこうある

転職する本人は、
「私なんか、特別な技術がないし、ありきたりの経験しかない」
と消極的であった場合でも、よくお話を聞いて、前職での担当作業を洗い出してみると、かなりの経験値を保有しておられるケースは本当によくあります。

「事務『しか』やってこなかった」「販売『しか』経験がない」
と、職歴の中身が偏っていることを気にされる方も多いのですが、同業種への就職を狙う場合は、似たような作業に対して即戦力アピールできるので有利です。
また、別の業界へチャレンジする際でも、他業種・他社で通用するスキルを持っているのに本人が全く気づいていないというケースも珍しくありません。
既に身につけているのに、スキルと気づいていない経験業務には、たとえば次のようなものがあります。

…などなど。
もちろん！！ここに登場しない作業でも、あなたの魅力アピールになるものはたくさんあるはずです。
「私なんか、職務経歴書に書ける経験なんてない…」
と思い込みで消極的になるよりも、まず一度、私たち就労支援相談員とお話してみませんか？

きっと、
「これもアピールできるんだ！？」「なるほど、そういうふうに売り込んでいくのね！」
という目からウロコの発見がありますよ！