第23回 企業の採用担当に話を聞きました~製造業(金属加工店)のM社編~

金属加工の現場で働こう!

今回は、金属の表面処理を行うM社の代表取締役Tさんにお話をお伺いしました。
M社は、三条市の工業団地に工場を持ち、近年、先代の代表取締役から現在のTさんに代替わりした会社です。
長く働く社員さんばかりで、人員の入れ替わりはほとんどないそうですが、定年退職等は発生するので、数年に一度数名の社員採用を行っているそうです。
それではどうぞ!

従業員や知り合いからの紹介で採用することが多い

当社は、ハローワーク求人、ワーキンやタウンワーク等の民間求人サイトと求人誌、新聞折り込みの求人チラシを利用して求人しています。
でも、ハローワーク等を通じて応募して来てもらうことには、正直あまり期待していません。
というのも、当社は、社員さんや知り合いの方からの紹介で採用することが多いんですよね。
知り合いの息子さんが、工業高校を卒業して、就職希望ということだったので、採用計画にはなかったのですが一度お会いしました。そうしたら、すごくいい子で…。一生懸命質問に答えようとしているところが、初々しくて好印象でした。面接が終わるころには、彼のことがすっかり好きになり、採用しました。

面接、最低限これだけは用意してきて

あまり堅苦しいことはしなくていいのですが、応募するからには、最低限、当社が何を取り扱っているかくらいは覚えてきてほしいです。
うちは、主にステンレス等の金属の表面加工を行っています。詳しいことを調べて覚えてきてくれ、なんて言いません。せめて、求人票に載せてあることは、読んで理解してから応募してもらいたいですね。
「どういうことをする仕事か、イメージできる?」と質問したときに、さっぱりちんぷんかんぷん…では、全然興味ないのに応募してきたのか、それとも理解力に問題があるのか?と不安になってしまいます。
だいたいでいいんです。「金属の表面をなんかする…」「金物に加工をする」くらいでいいので、自分なりのイメージを持ってきてほしいなと思います。もし間違っていれば、こちらで説明するので、安心してください。説明した結果、きちんと理解してもらえたな、と私が思えれば、十分採用の対象になります。

こんな人はNG

悪い意味で覚えている人は、面接の前日に来ちゃった人ですね。
「早い方がいいと思って」とおっしゃったのですが、スケジュールを調整して日にちを決めているので、勝手に早められても対応できません。
それから、応募して来てくださった方のお名前に見覚えがあったので、「以前も当社を受けてくれましたか?」と聞いたことがあります。「いいえ、初めてです」とお返事されたのに、後で過去の資料を探したら、昨年も面接をしてお断りした方でした。純粋に覚えていなかったのか、前に受けたことを隠したかったのか、理解に苦しみます…。
これは相当珍しい例だと思いますけどね。

履歴書・面接ではここを見る

面接は、いわゆるビジネスマナー等より対話重視で、だいたい30~40分話します。長くなると50分くらい。
履歴書はあんまり気にしないですね。写真がスナップ写真だったりしたらありえないなと思いますけど。
勤め先が頻繁に変わっているときは、理由を尋ねます。ただ、本当のことを言ってもらえるかはわからないので、世間話をしながら、人柄を感じるようにしています。「休みの日は何してる?」「趣味は何?」などのなんでもない雑談です。そこで、最低限のやる気が感じられれば、OKです。
ゴニョゴニョ…と何を言っているかよくわからないようだと、残念ながら不採用になる可能性が高いです。できればハキハキと。噛んだりどもったりしても全然かまわないので、とにかく「相手に伝えよう!」という姿勢を見せてほしいです。

採用する年代と、募集広告の工夫

今は、社員の代替わりの時期なので、20~30代の若い人を採用しています。
もし今後忙しくなったら、短期間の契約で、60代以上の方の雇用も考えます。ただ、現場にいる20代、30代の社員に指示されて、受け入れられるかどうか。そこを素直に聞き入れてくれて、力のある人なら、考えられますね。

当社はラッキーなことに、他社さんが「募集出しても人が来ない」というほど困っていないんです。ありがたいことです。
そうそう、求人広告を出すときに、工場の外観写真を添えていたのですが、それをスタッフの写真に変えてから、応募が増えましたよ。

おわりに

人懐っこい感じのT社長。面接では緊張しないで素を出してお話ししてほしい、と感じているご様子でした。きっと、社長ご自身も、素の自分で採用に臨まれているのですね。小規模な会社ならではの、「素顔で働く仲間を探している!」という印象が清々しかったです!

今後も、地元企業の採用担当さんのお話を、少しずつみなさんにもお伝えしていく予定です。

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